毎年の事ですが、脱水による眩暈、気分不快、筋肉の痙攣、そして飲酒にも関連した痛風発作、尿管結石の季節がやってきました。
汗と尿は働きが違います。汗をかくから水分を控える・・・・ご法度です。
人は、外気温度が上がると体温調整の為に、体表面から水分を蒸発させ、体温を下げています。この調整により、今の季節から冬と比べおよそ倍の量の水分を失っています。
明らかな汗をかかない状態でも、脱水は始まっている事を理解してください。
では、これまた恒例の脱水講座です。
脱水の程度を知るには、先ず尿に注目してください。
#1:尿の色・・・尿中にはウロクロームと言う色素が排泄されます。
この排泄量は一定であり、したがって尿の色(濃さ)と言うのは、
このウロクロームが水分によって、どれほど希釈されたかに寄ります。
つまり、濃い尿は水分が足りず、余り希釈されていない証拠です(濃縮尿)。
2:尿量・・・成人では体重一キロ当たり、およそ一時間1mlの尿が平均で生成され ています。即ち、成人男性では約1000~1500ccの尿が一日で作られたいま す。
#3:尿の働き・・・簡単に言えば、体内の水分のバランスを取る、老廃物を排泄す るなどの目的があります。したがって尿量の減少はこれらのバランスを崩し、 余計な物を体内にため込むことになります。
#4:尿の減少・・・この季節、尿量減少の主な原因は脱水です。体温調整の為、大 量の水分が汗として失われます。この為に、尿に回る水分が減少します。この 水分のアンバランスが、尿量減少の原因です。
#5:尿量の減少が、何故いけないのか?・・・ひとつは先に書いた老廃物が排泄 出来きない事。もう一つは、体液減少の目安と考えて下さい。 尿量の減少は体液量の減少、つまり脱水を示しており、この状態が続くと次第 に発汗も減少してきます。そして遂に発汗量も減少し、体温調整が出来なくな
り、体温は上昇した状態を続けます。
これが熱中症です。つまり、一定量の尿を排泄する事が、同時に体液の確保 の目安となります。
尿の色が濃い、回数が減った、などの状態が出現した時には、既に体内の水不 足が起こっています。目安として、日中4~5回、比較的透明な尿が出ている事。
屋外にいる時には一時間当たり500ccを目安に、こまめに水分補給を行うこと。 仮に、頭痛、気分不快などの症状が出た時には、涼しい日陰に移動し、頸動 脈、脇の下、両側の足の付け根などに在る太い血管を冷やしてください。
#6:皮膚から出た汗は、蒸発することで体温を下げる働きをします。
この汗が蒸発ができない状態、例えば湿度が非常に高く風も吹いて居ないよう な状況では汗は乾くことが出来ず、体温を下げる働きが低下します。
最近コマーシャルにもある様な、吸汗・速乾性の生地を使った下着など着けるこ とでこの働きを補う事が出来ます。
最新の着衣をうまく利用しましょう。
十分な排尿を保ちつつ、出た汗が蒸発・気化できるよう工夫をしましょう。